結論から言うと、聞き流しは効果のある勉強法ですが、あるルールを守って実践する必要があります。
聞き流しの最大のメリットは、大量の英語を耳にすることで
といったメリットがあります。
ただし、聞き流しで効果を得るためには、まず前提として英語の音声を理解するための基礎を身につけることが重要です。
ここで言う「基礎」とは、以下のようなものです。
これらの基礎が身についていれば、聞き流しはインプット学習として効果的だと言えます。
また、聞き流しよりも効果的な学習法として「多聴」があります⁵。
多聴とは、質よりも量を重視するというスタンスにおいて聞き流しと似ていますが、多聴の方がより集中して英語を聞くという意味合いが強く含まれます。
多聴に取り組む際には、以下のポイントを意識すると良いでしょう⁵。
聞き流しと多聴は、英語をたくさん聞くという意味では似ていますが、実は全く違います。
例えば、あまり英語に集中せず「ながら」で勉強する聞き流し学習法と違い、多聴は英語の意味を考えながらトレーニングします。
聞き流しの最大の欠点は、英語の音声を理解するために必要な音声知覚と意味理解の力を鍛えることができないことです。
音声知覚とは、耳でキャッチした英語の音を自分の知っている言葉に結びつけることです。意味理解とは、音声知覚した音がどういう意味なのかを理解することです。
これらの力をつけるためには、単語の一つ一つにまで集中してリスニング練習を行うことが重要です。しかし、英語をBGMのように聞いているだけの場合、単語一つ一つの細かい発音に注意を向けることはないでしょう。また、意味を理解しようとしない場合も同様です。
そのため、「聞き流し学習法」では音声知覚や意味理解の力を伸ばすことが難しいのです。
一方、多聴では、自分のレベルより少し難しい音源を選び、音声に合わせてシャドーイングやリピーティングをしたり、音声の内容や単語を復習したりすることで、音声知覚や意味理解の力を高めることができます。
多聴では、音を聞いてから聞き取った音の意味を理解するというプロセスを徹底的に繰り返すことで、リスニング力が確実に向上していきます。
英語の多聴には様々な教材やアプリがありますが、自分のレベルや目的に合わせて選ぶことが大切です。
例えば、初級から中級レベルの方には、日本語での解説や語彙・表現の解説があるものがおすすめです。そうすることで、英語の内容を正しく理解したり、新しい単語や表現を覚えたりすることができます。
そのような教材としては、Hapa英会話やスピードラーニングポッドキャストなどがあります。これらはPodcastというインターネット上のラジオ番組で、無料で聴くことができます。
Podcastはスマートフォンに音声をダウンロードしておけば、通勤中や家事中などに聞き流すことができるので便利です。
また、中級から上級レベルの方には、英語で英語学習ができるものやレベル別のレッスンがあるものがおすすめです。そうすることで、英語を英語のまま理解する力や発想する力を鍛えることができます。
そのような教材としては、Engvidやラダーシリーズなどがあります。EngvidはYouTubeチャンネルで、カナダの語学学校が運営しているものです。ラダーシリーズはCDやMP3で販売されているもので、ジャンルやレベルに応じて選ぶことができます。